菊野昌宏さんは「独立時計師」です。
独立時計師とは、企業に依存せず、
自分の手作業で、オリジナルの時計を完成させる
職人の集団、「独立時計師アカデミー」会員のことです。
2019年1月現在、全世界で31人しかいません。
うち二人が日本人です。
浅岡肇さんと菊野昌宏さんです。
この記事では菊野昌宏さんについてまとめました。
目次
- 菊野昌宏さんの経歴とプロフィール
- 菊野昌宏さんの時計の購入方法は?作品を紹介
1.菊野昌宏さんの経歴とプロフィール

出典https://www.masahirokikuno.jp
名前 菊野昌宏(きくのまさひろ)
生年月日 1983年2月8日
出身 北海道深川市
菊野昌宏さんは、地元深川西高校を卒業後
自衛隊に入隊します。
勉強がしたくなかったからだそうです。
しかしここで、運命を変える、出会いがありました。
上官が大の時計好きだったのです。
30万円もする、機械式の時計をつけていました。
菊野昌宏さんは、疑問に思います。
自衛隊の売店で売っている、格安のデジタル時計と
一体何が違うんだろう?
時計の雑誌を読み漁るようになり、
何十万、何百万、さらには何千万もする
機械式時計の世界にのめり込んでいきました。
そして時計職人になることを決め、
自衛隊を退職、時計の専門学校に入ります。
一途に打ち込めるものを得られたのは
羨ましい限りです。
ある時、江戸時代から明治時代にかけて生きた、
天才発明家・田中久重の万年和時計のドキュメントを
テレビで見ました。
田中久重は東芝のルーツとなる人です。

出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/万年自鳴鐘
菊野昌宏さんは衝撃を受けました。
工作機械もない時代に、
手作業で、千点を超える部品を
一から作り上げていた田中久重。
さらに、精巧なだけでなく、
美しく、日本の独自の暦もあらわす。
ゼンマイを一度まけば一年動く!
そんな驚異の「万年時計」が1851年に造られたのです。
筆者もこのドキュメンタリ―をみました。
現代の日本屈指の技術者達が
感心のあまり、ため息をもらしていたのが
印象的でした。
素人目にもすごいものです。
菊野昌宏さんは、田中久重のように
簡易な道具で一から
自分でオリジナルの時計を造ろうと
志しました。
和時計の機構を、世界で初めて腕時計に搭載した
「不定時法腕時計」を完成させ、
独立時計師アカデミーへ、
推薦されるきっかけになりました。

出典 https://dandyism-collection.com/wp-content/uploads/2017/03/image00422.jpg
さらに「トゥールビヨン 2012」「ORIZURU」を
制作したことにより、
独立時計師アカデミー正会員となりました。

出典 https://www.masahirokikuno.jp/watches/折鶴
2.菊野昌宏さんの時計の購入方法は?作品を紹介
さて、気になる
菊野昌宏さんの時計の購入方法ですが、
店頭では買えません。
完全受注生産で、
オフィシャルホームページからの
注文となります。
直接会ったうえで、製作工程を伝えたうえで
価値を理解してもらいたいからだそうです。
職人気質の素晴らしさですね。
ただ残念ながら、2019年1月現在
注文は受け付けていません。
全て手作りで、
一つ完成させるのに、
一年を要すものさえあるからでしょう。
どうしても欲しい方は
辛抱強く、受注再開まで待つしかありません。
一生もの真剣勝負ですから
待つことも醍醐味と思います。
最後に菊野昌宏さんの作品を紹介します。

出典 https://www.masahirokikuno.jp/watches/
朔望(参考価格¥5000000)
月齢が表示されます。
月齢に1日分の誤差が生じるのは、
122年後だそうです。

出典 https://www.masahirokikuno.jp/watches/暁鐘
和時計改 暁鐘
彫金師の金川恵治さんの
手作業の彫りが施された、
和時計の機構搭載の腕時計です。

出典 https://www.masahirokikuno.jp/watches/トゥールビヨン 2012
トゥールビヨン 2012
トュールビヨンとは、1801年に、
天才時計技師アブラアム=ルイ・ブレゲが、
発明・特許をとった複雑機構です。
複雑機械式時計の最高峰と言われています。
菊野昌宏さんによると
「この時計は私の人生に等しい」そうです。
時計だけで一つの宇宙が完成している感があります。
機械式時計は、生き物のようです。
これといったひとつが欲しいものですね。
以上独立時計師・菊野昌宏さんについてまとめました。
読んでいただきましてありがとうございました。