孀婦岩(そうふがん・そうふいわ)は
伊豆諸島最南端に位置する、孤立してそびえる岩です。
目次
- 孀婦岩は伊豆諸島のどこ?東京・ベヨネーズ列岩・鳥島からの距離は?
- 孀婦(そうふ)岩・名前の由来は?ロトの妻の塩柱とは?
- 孀婦(そうふ)岩へのクルーズは?費用はいくら?
1.孀婦岩はどこ?東京・ベヨネーズ列岩・鳥島からの距離は?
さて、東京から伊豆諸島を南下して孀婦岩まで、どのくらいでしょうか?
まず、東京から八丈島は287キロ。
東海道線だとだいたい愛知県・豊橋までの距離となります。
自治体は東京都八丈町。人口は2018年7249人。
東京から東海汽船のフェリーで夜22:30発、御蔵島、式根島を経由し
八丈島着は8:50となっています。
もちろん航空路線もあります。
八丈島は気象庁ランクCの活火山に指定されています。
直線距離約70キロ南下し、青ヶ島
東京から358キロ。
青ヶ島村は人口169人の日本で一番小さい自治体です。
伊豆諸島では最南端の有人島です。
民宿もありますので、絶海の孤島を味わうことができます。
八丈島からの船と、羽田からヘリコプターの定期便があります。
海が荒れて、船は欠航することが良くあるそうです。
南に65キロ南下。ベヨネーズ列岩があります。
1846年、フランス海軍のJ・R・バイヨネーズが発見したことから命名されています。
無人の岩礁群です。
更に南下し須美寿(スミス)島
無人島です。
東京から約470キロです。時々釣り人が上陸するそうです。
そして鳥島。東京から約580キロ。
東京から神戸くらいの距離です。
この島は吉村昭の小説「漂流」で知りました。
実話ベースの小説です。
江戸時代に土佐の船乗り長平(野村長平)が乗る
廻船が冬の嵐で帆柱と舵を失いました。
土佐沖で遭難したのですが、なんとはるばる鳥島まで漂流したのです。
鳥島は絶海の孤島で、誰も住んでいません。
漂着時は三人だったのですが、二人は相次いで亡くなります。
ここから長平ひとりの無人島生活が始まります。
写真でもわかる通り、荒涼とした火山島です。
アホウドリの生肉、卵を食い(火打石がなかった)卵の殻に雨水を貯め、
生き延びました。
その後どうなったかははぜひ小説を読んでください。
吉村昭の小説はリアルな描写で読みごたえがあります。
無人島で生き延びるのは、私には到底できないと思いました。
なお、鳥島はその名の通り、アホウドリの繁殖地です。
明治時代より、羽毛・食肉目的のため人が住み、乱獲され絶滅寸前にまでなりました。
現在は鳥獣保護区に指定され、戦後は人も住んでいません。
さて、ようやくたどり着いた、孀婦岩は東京から650キロです。
東京から西へですと、兵庫県姫路市までの距離です。
2003年に活火山に認定されています。
標高はなんと99メートルもあります。
写真で見るより直立感、存在感があるのは間違いないでしょう。
周囲は水深2500メートルの海底です。
そこに孀婦岩だけが直立しているのです。
ですから、2500メートルの高さの岩と言えなくもありません。
神秘的でもありますし、不気味でさえあります。
ロッククライミング好きの人が登ることがあるそうです。
初登頂は、1972年早稲田大学生が成し遂げています。
また、ダイビングスポットとなっています。
2. 孀婦(そうふ)岩・名前の由来は?ロトの妻の塩柱とは?
1788年イギリス海軍のジョン・ミアーズが
マカオから北アメリカへ向かう途中、
孀婦岩を目撃したがことが、
現在確認されている、一番古い確実な記録です。
ミアーズはこの岩の不思議な形状から、旧約聖書の創世記を思い起こしました。
神の指示に背き、塩の岩に変えられたロトの妻から、
「Lot`s wife」と名付けました。
ソドムとゴモラの滅亡の際、ロトと家族は神に救われました。
しかし、神に「逃げる途中振り返るな」と言われたのに、
ロトの妻は振り返ってしまい石にされた、という話です。
これを意訳したのが「孀婦岩」です。孀婦とは、夫を亡くした女性のことです。
イスラエルにはロトの妻の岩が残っています。
3.孀婦(そうふ)岩にはどうやって行くの?費用はいくら?
孀婦岩へ行きたい(見たい)場合、一般的にはツアー(クルーズ)になります。
実施回数は少ないようです。
人気がありますので、ツアーを見つけたら、早く申し込むほうが良いでしょう。
小笠原諸島を含めたクルーズ(6日間程度)で
鳥島、孀婦岩周辺を巡るものがあります。
上陸はすることができません。
参考クルーズ
阪急交通社・(横浜発着)
にっぽん丸で航く 船でしか行けない世界遺産
「小笠原 硫黄島・西之島周遊クルーズ6日間」
費用 240,000~990,000円
絶海にそびえる、神秘の孀婦岩。一生に一度は見てみたいものです。
リタイア後に、美食に舌鼓を打ち、クルーズもいいですね。
読んでいただきましてありがとうございました。