NHK「ダーウィンが来た」で取り上げられた、
滝登りをする魚「ボウズハゼ」
そして滝登りの舞台、
和歌山県古座川町「滝の拝」についてまとめました。
目次
- ボウズハゼの生態
- ボウズハゼ滝登りの舞台・和歌山県古座川町「滝の拝」
- 「滝の拝」にまつわる伝説の石
1.ボウズハゼの生態
ボウズハゼはハゼの一種です。
全長は20センチ程度。
日本と台湾、韓国に分布しています。、
日本では、福島県より西の
太平洋沿岸から、沖縄にかけて
分布しています。
ボウズハゼは渓流に生息し、
仔魚は川を下り、海で過ごします。
そして成魚と同じ斑紋が
現れると、長い集団で川を遡上しはじめます。
餌となる苔を求めての行動と言われています。
遡上の際、堰堤や、岩、滝を登ります。
腹部の吸盤と丸い唇を使い、
尺取り虫のように上がっていくそうです。
中・上流域に到達すると、川底付近で暮らします。
産卵期は7月から9月。
冬季は、大きな石の下や淵で過ごします。
2.ボウズハゼの滝登りの舞台・和歌山県古座川町「滝の拝」
和歌山県、紀伊半島南部古座川町に
名称・天然記念物「滝の拝」があります。
「たきのはい」と読みます。
古座川の支流、小川(おがわ)が1キロ程、水路状になっています。
そこに無数の甌穴が開いています。
小石が水流にもまれた際、岩を削って出来たものです。
「ポットホール」と呼ばれるものです。
この奇観の川の奥が、
落差8メートルの滝になっています。
この滝をボウズハゼが「登って」行くのです。
毎年初夏から晩夏までの
風物詩となっています。
滝の拝では、滝壺にアユが密集するため、
アユ釣りの名所ともなっています。
筆者は海も山も深くて美しい
紀伊半島をよく旅しました。
川湯温泉、湯の峰温泉、
勝浦温泉と泉質も良い温泉も多いです。
もちろん海の幸、山の幸も
新鮮で期待を裏切りません。
熊野本宮大社、熊野速玉大社など
心安らぐスポットも多いですから、
ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。
3.「滝の拝」にまつわる伝説の石
「滝の拝」には浦島太郎のような伝説があります。
滝の拝に住んでいた、滝の拝太郎という侍がいたそうです。
太郎は、願掛けとして、刀で岩に穴を掘っていました。
1000個を掘るまで、あと一つ999個で
刀を滝の中に落としてしまいました。
大切な刀です。
太郎は滝壺に潜って、刀を探します。
太郎は七日間経っても姿を現さず、
村人は死んでしまったと思いました。
太郎の初七日間法要をしていると、
なんと太郎が戻ってきたのです。
「滝壺の中に立派な宮殿があって、
滝の主のお姫様と侍女に大歓迎してもらったのだ。」
太郎は、おみやげに丸い大きな石を貰いました。
滝つぼではゴロゴロと
雷のような音が鳴っていたのですが、
太郎が石を持って帰って以来、
聞こえなくなったそうです。
この伝承の石は、
滝の神様をお祀りしている
金比羅神社の境内に残されています。
自然の水流と小石でできた甌穴が、
いつからこの伝説に結びついたか興味深いです。
以上ボウズハゼと和歌山県滝の拝についてまとめました。
読んでいただきましてありがとうございました。