70羽の雛を連れ歩く「カワアイサ」とはどんな鳥?よく似たウミアイサとは?

カワアイサ(川秋沙)は時には70羽を超える雛を連れて子育てするユニークな鳥です。
どのような生態でどこで見られるのでしょうか?

【目次】
1・カワアイサの生態
2・カワアイサは日本のどこで見られる?
3・とても良く似たウミアイサとはどんな鳥?

1.カワアイサの生態

https://de.wikipedia.org/wiki/カワアイサ

全長は58センチ~72センチ。メスのほうが小さいです。
羽を広げると78センチ~97センチ。
カモ類の中では細長く見えます。
体重は0.9キロ~2.1キロ。

オスは頭部が、光沢ある緑色がかった黒色。頸から下面、脇と胸は白いです。
メスは頭部が茶褐色。短い冠羽が特徴です。胸から体の下面は白、背から体の上は灰褐色です。

魚を主に食べますが、小さなエビや貝類、虫も食します。

https://de.wikipedia.org/wiki/Gänsesäge

メスは6個から17個の、黄みがかった白い卵を産みます。
雛まぜの習性があり、他のメスが生んだ雛をも育てることがあります。
アメリカ・ミネソタ州では1羽のメスが76羽の雛を連れていたことがありました。

雛は60日から70日、餌を与えられます。
およそ2年で、成鳥になります。

2.カワアイサは日本のどこで見られる?

カワアイサは北半球に生息します。
ユーラシア大陸中北部とアメリカ北部で繁殖します。
冬はヨーロッパや中央アジア、中国、朝鮮半島、インド東部に渡ります。
川や湖が凍らない場所に生息するカワアイサは、冬も留まります。

日本には九州以北に渡来します。
カワアイサは冬に渡ってやってきます。
北海道の一部では、一年中留まります。

カワアイサが観察できる場所を紹介します。

1.渡良瀬遊水地

https://de.wikipedia.org/wiki/渡良瀬遊水地

群馬・栃木・埼玉・茨城にまたがる広大な遊水池です。
明治時代、足尾銅山の鉱毒対策に造られました。
カワアイサが暮らすのは谷中湖部分です。

2.諏訪湖

https://de.wikipedia.org/wiki/諏訪湖

諏訪湖には、日本のカワアイサの3分の1がいると言われています。
カワアイサは体が大きく、一日中捕食するため、湖での漁業に打撃を与えています。
このため長野県では生態調査をして行動パターンを研究しています。

3.北海道

洞爺湖のカワアイサ  出典・フランクさんによる写真ACからの写真

北海道では、川や湖に留鳥として生息しているものもいます。
十勝地方の音更町では、2016年役場前の池に、カワアイサの親子が子育てをし話題になりました。

他の地方でも見られますが、あまり数は多くありません。寒冷な北日本の方が多いようです。

3.とてもよく似た「ウミアイサ」とはどんな鳥?

ウミアイサ(海秋沙)はカワアイサと同じく、冬に九州以北へ飛来します。
カワアイサは内陸の川や湖沼に生息しますが、ウミアイサは沿岸部の浅瀬や、河口に生息します。

ウミアイサ(オス)Photo By Peter Massas

外見もよく似ています。オスは後頭部に冠羽が生えているのがカワアイサと異なります。

ウミアイサ(メス)Photo By D. Gordon E. Robertson

カワアイサのメスは首部分がはっきりくびれてますが、ウミアイサは首部分がどこまでか、はっきりしません。
違いを見分けるのがなかなか難しいですね。

カモ類は、ぞろぞろと雛を連れて歩くのが、本当に魅力的ですね。
カワアイサは中国地方、近畿地方、関東地方でも時々見ることが出来ます。
見つけて小さな幸せ気分を味わってください。

読んでいただきましてありがとうございました。