鳩の帰巣本能を利用した「鳩レース」。
1964年の東京オリンピックでは、開会式で8000羽のレース鳩が放たれました。
カラーテレビで中継された結果、鳩レースブームが巻き起こったそうです。
さて、この「鳩レース」。
存在は知っていても、実際何が行われているのか知らない人も多いと思います。
この記事では「鳩レース」のルールや賞金についてまとめました。
【目次】
1.鳩レースのルール
2.鳩レースの賞金額はいくら?
3.どのくらい鳩は帰ってくるの?
4.マンガ・レース鳩0777(アラシ)とは?
1.鳩レースのルール
鳩には優れた帰巣本能があります。これを利用したのが鳩レースです。
レース鳩は、ドバトと違い、数世紀に渡って「レース」用に改良された鳩です。
時速80キロを出し、距離にして1000キロを飛ぶことができる個体もいます。
日本で、鳩レースを行う団体は、一般社団法人日本伝書鳩協会・一般社団法人日本鳩レース協会の二つがあります。
各地の鳩舎から飼育している鳩を持ち寄り
同一のスタート地点から同時に放ちます。
各々の鳩舎へ帰ってくる平均の「分速」を競います。
鳩の脚に、ICチップ入りのゴム輪を付け、
鳩舎に帰還した時に、専用の記録機にゴム輪を入れてタイムを記録します。
最近は鳩が鳩舎に帰ると、自動で帰還時間が記録されるシステムも導入されています。
レースの公称距離の長さにより、記録に認定される日数の制限があります。
公称距離200キロまでは、放鳩の当日まで。
500キロまでは放鳩翌日まで。
700キロまでは放鳩4日まで。
900キロまでは放鳩5日まで。
1100キロまでは放鳩7日目まで。それ以上は放鳥10日目まで。
国内で長いレースでは1000キロを超えます。
さて、距離を時間で割った「分速」を出して競いますが
同一分速であった場合どうなるのでしょう・・・?
日本レース鳩協会のレース規程によると、
① 生年の若い鳩が上位
② 分速も生年も同じ場合、雌鳩が上位
③ 2,3で決定できない場合は、飛翔距離の長いほうが上位
となっています。
レースは主なレースだけでも、グランプリ・レース、グランドナショナルレース、衆議院議長賞レース、農林水産大臣賞レース・・など
年間20回近いレースがあります。
「桜花賞」「菊花賞」もあります。
そのほか、各地域で行われる大会が多数あります。
2.鳩レースの賞金額はいくら?
驚いたことに日本の鳩レースには賞金がありません・・。
「栄誉」が与えられるのみです。
実際に賞金が得られるのは品評会です。
「実績」「血統」の良い鳩は、国内外問わず高額で売買されます。
「母・○○△△」「父・□□××」・・・。
レース鳩のオークションサイトでは、常時数多の情報が飛び交っています。
鳩レースの発祥地ヨーロッパでは、
2019年、中国人の愛好家に140万ユーロ(1億6000万円)で競り落とされました。
資金力のある者がやはり強い世界です。
3.どのくらい鳩は帰ってくるの?
レースによっては1万羽を超える鳩が一斉に放たれますが、
どのくらいの鳩が無事帰ってくるのでしょうか?
700キロ以下では、およそ4割帰還します。
それ以上の距離はかなり厳しく、1000キロ以上では1割を切ることがあります。
帰ってこない要因は、オオタカやハヤブサなどによる捕食があります。
2017年まで、オオタカは希少野生動植物種として保護されていました。オオタカの数が増えたことも鳩レースに影響しています。
また、磁気嵐が起こった際、帰還率が大幅に低下しています。
1988年フランスで行われた国際伝書鳩レースでは、帰還したのは僅かに5%でした。
年々帰還率が下がっており、携帯電話の電磁波の影響も考えられています。
4.マンガ・レース鳩0777(アラシ)とは?
レース鳩0777(アラシ)は1978年から1980年まで、週刊少年チャンピオンで連載されたマンガです。
花札で同じ数字が3つ揃うと「アラシ」や「ゾロ」といいます。
作者は飯森広一。
ある日、主人公の少年森山次郎が歩いていると、一羽の鳩が落ちてきます。
鳩には「0666」と脚輪がついていました。
この「0666」は全日本レースで1位になったグレートピジョン号でした。
グレートピジョンを育て上げたのは、レース鳩界の巨人黒田官兵衛です。
黒田は、グレートピジョンを、救った次郎に託します。
次郎は黒田の助言を得ながら、数々のレースに挑んでゆくのです。
現在、紙媒体の古本は値が高騰しています。
電子書籍で読むのが良いと思います。
各々の鳩主の思い入れのある鳩が、次々とレースで息絶えてしましまうのは過酷ですが、心に響くものがあります。
ぜひ一読されてはいかがでしょうか?
以上「鳩レース」のルールや、賞金について記しました。
普段馴染みのないレースではありますが、少しのぞいてみるとディープな世界が広がっていると感じました。
現実世界で様々な喜怒哀楽のドラマがありそうです。
読んでいただきましてありがとうございました。